「2030年までに国連の加盟国すべてが達成すべき持続可能な開発目標」=Sustainable Development Goals サスティナブル・ディベロップメント・ゴールズ の頭文字をとって“エス・ディー・ジーズ”といい、17の目標とそれぞれを達成するための169のターゲットから構成されています。
上記はごく一般的な説明。中小零細企業にとり、SDGsの取組みが、国や大企業がやればいいことで、私たちがあえて取り組むメリットも必要性もない ー と多くの方たちはそう考えているのではないでしょうか。
しかし、そうではありません。地球温暖化、気候変動、海洋汚染への対応などの地球全体での環境問題や開発発展途上国における貧困・食糧問題などの世界的な課題への対応と貢献は私たちのような中小零細企業の小さな一つ一つの積み上げで大きく改善できる事柄だと試算されています。
そこで、ムラコホールディングスのSDGsの定義は、『地方における創生を促進させ「持続的な社会」を実現させるため、「社会の一翼を担う」という意識を強く持ち、SDGs基本精神に当てはめて「社会貢献」すること。』です。結果として、「地域の利益」に繋がりその先には「会社の利益」にも繋がり「持続可能な社会」が実現できると考えているからです。
ムラコホールディングスグループでは、CO2対策の一環として、今後調達するコピー用紙を「GR100」(再生紙100%)のものに刷新していきます。これは、グリーン購入法の総合評価値では85に値するもので、法律上、民間企業が負う一般的責務たる80よりも上回るものです(環境省 グリーン購入法.net より)。
これまで私たちは、再生紙でなければならないか、バージンパルプ紙のCO2排出量の方が少ないのではないか(平成19年4月25日(水)産経新聞)、様々な角度から研究して参りました。結論として、やはり再生紙の方がCO2排出量は少なく、森林伐採抑制に繋がると考えました。SDGsの観点で見れば、「13.気候変動に具体的な対策を」と「15.陸の豊かさも守ろう」の目標達成に繋がります。
化石燃料だけに着目すると、CO2排出量は再生紙の方がバージンパルプ紙よりも多いとも言われています。<図1>
しかし、総エネルギー使用量においては、古紙の方がバージンパルプ紙に比べて60%と少ないというデータもあります。<図2>
そもそも、こうしたCO2カウント方法には、からくりがあります。京都議定書では、CO2のダブルカウントを避けるべく、便宜上、伐採時にのみCO2がカウントされ、副産物たる黒液(バイオマス燃料)燃焼によるCO2はカウントしないことになっているのです。実際にはやはりバイオマス燃料も、利用すれば当然に CO2が生じます。図1で言えば、黄色の部分がそれにあたります。
環境省も上述のからくりを認識した上で、今では結論として「今後さらに古紙パルプを利用した場合においてもCO2排出量は大幅に削減されていく」(環境省 グリーン購入法.netより)と認めており、再生紙を利用する方が温室効果ガス対策になることは明らかです。
その効果に着眼すると、今、当グループではひと月24,600枚、1年間で295,200枚ものコピー用紙を使用しています。木1本から約13,000枚の紙が作れると言われているので、年間約22本、10年では220本の木を守ることができます。
私たちは、2030年までに用紙の消費量を半減(収益ベース換算)し、その手法として更なるIT化を取り入れるべく、研究を進めて実践して参ります。
(ムラコホールディングス 蔵王ラボ:八木隼人)